仕事を探しているときに、「人を助ける仕事をしたい」という想いを抱く人も多いのではないでしょうか。それでは、「人を助ける仕事」というのは、どんな仕事を指すのでしょうか?また、どんな種類があるのでしょうか?
この記事では、人を助ける仕事とは何か?どんな仕事を選べばいいか?そして人を助ける仕事に応募するときには何に注意すればいいか?を解説していきます。
人を助ける仕事で自分に向いているものを選ぼう
人を助ける仕事には、沢山の種類があります。その中から自分が応募する仕事を選ぶためには、何を基準にすればいいでしょうか?一言でいえば、「自分に向いてる仕事」を選ぶことが、自分の幸せにつながります。
それでは、自分に向いている仕事は、どのように探せばいいでしょうか?それは、「人を助ける仕事」として自分がイメージすることを言語化して、「好き」や「得意」を仕事にすることです。
自分が思い描いている「人を助ける」と一致するか見極めよう
人を助ける仕事がしたい!と思ったときに、何をもって「人を助ける」と思い描いていますか?
たとえば、どんな人を助けたいですか?病気を患っている人?飢餓に苦しんでいる子供?一人暮らしで助けてくれる人がいない高齢者?助けたい対象が、自分がイメージしている人と仕事で助けている人にズレがあると、こんなはずではなかった・・・と後悔してしまう要因になります。
そして、助け方にもいろいろあります。一人ひとり個別に助けたいですか?大勢をいっぺんに助けたいですか?また、人を助ける仕事のある会社や組織をとおして人を助けたいですか?自分が直接困っている人に手を差し伸べたいですか?
「人を助ける仕事」を探すときには、どんな仕事を「人を助ける」と思い描いているか、自分自身を振り返ってみましょう。
自分の「好き」や「得意」を活かせるか考えよう
仕事をとおして人を助けたとしても、自分が好きだと思えない仕事は働いていて苦しくなってしまいかねません。
また、人を助けるためには、自分が培ったスキルや経験が物を言います。どれだけ人を助けたくても、助けるための実力がなければ、働いていて自分が困ってしまいます。逆に、自分の得意なことを活かして人を助けることができれば、より多くの人に、より大きな助けをもたらすことができます。
「好き」や「得意」を考えることは、仕事を選ぶときの基本事項です。「人を助ける仕事」だからといって特別なことではなく、まずは、自分が好きだと思える仕事か?得意なことを活かせるか?を踏まえて、そこから「人を助ける仕事」につなげていきましょう。
人を助ける仕事には、どんな種類があるの?
極端なことをいえば、誰も助けない仕事というのは存在しません。しかし、人を助ける仕事をしたい!と思うときは、人を助ける仕事をしていると実感したい!という気持ちを抱いていることが多いかと思います。
ここからは、人を助けることができていると実感しやすい仕事をご紹介いたします。
医療にかかわる仕事
医師や看護師など医療従事者は、人を助ける仕事をしていると実感しやすい職種です。患者の命を預かる大きな責任を伴う仕事ですが、病気や怪我が治った人の笑顔は、何ものにも代え難いでしょう。
また、医療従事者は病気や怪我などの治癒に尽力するだけでなく、健康な人が病気にならないための予防医療にも携わっています。社会全体の健康を増進するという重要な役割を果たしているのです。
福祉にかかわる仕事
福祉にかかわる仕事も人を助けることに直結しますが、「福祉」と一言でいっても助ける対象や助け方はさまざまです。
たとえば、国際的なNGOであるSave the Childrenは、世界中の子供達を支援しています。紛争や自然災害などで食糧危機に陥っている子供達に食糧支援をしたり、開発途上国の貧困家庭でおきがちな児童労働の問題解決のために生活再建の投資をしたり、その社会貢献度は計り知れないものがあります。こうしたNGOやNPOで働くことで、世界をまたにかけた大きな仕事をしながら人を助けることができます。
また、身近な例としては高齢者福祉の取り組みがあります。たとえば、介護福祉士になって高齢者の入浴を介助したり、ソーシャルワーカーとして生活に困っている高齢者の相談にのったり、目の前にいる高齢者の一人ひとりを助けていくことができます。
教育にかかわる仕事
教育にかかわる仕事は、子供達の成長をサポートしたり、いじめなどの問題を解決したり、教育を受ける人を幅広く助ける仕事でもあります。
学校の教師は、勉強を教えたり進路指導したりすることによって、生徒が将来を切り拓くための力をつける役割を担っています。生徒の成長を見守ることで、教師による助けがいかに生徒の役に立っているかを見せてくれます。
教育にかかわる仕事は、学校の教師や幼稚園の教諭、保育園の保育士など子供と直接触れ合う仕事だけではありません。たとえば、出版社に勤める学習教材開発者は、分かりやすい教材を作ることで子供達が知識を得るための手助けを行っているといえるでしょう。
企業の中で「人を助ける」ことができる仕事
人を助ける仕事を行っている組織や団体に所属するのではなく、営利企業の社員だったとしても人を助ける仕事はできます。
企業の中の人を助ける仕事として、人事があげられます。人事の重要な仕事の1つとして、人材育成があります。配置転換によって複数の部署や職場を経験させることで社員の視野を広げたり、研修を行うことで社員のスキルを向上させたりして、社員を育てていきます。
また、CSRによって自社内のみならず、会社の外の人達も助けることができます。CSRとは企業の社会的責任と訳され、あらゆるステークホルダー(消費者や取引先、投資家など)へ与える影響について企業は責任を持つべきである、という考え方です。企業のステークホルダーには、企業が存在する社会全体も含まれます。そのため、企業の活動を生かした社会貢献を行うことが多くなっています。たとえば、IT企業がプログラミング教室を開いたり、医薬品メーカーが開発途上国へ医療支援を行ったり、さまざまな取り組みが行われています。
人を助ける仕事へ応募するときの注意点
この仕事で人を助けたい!と思っても、闇雲に応募すればいいというわけではありません。その仕事は本当に応募するに値するのかを検討したり、採用されるための志望動機を作ったりする必要があります。
ここからは、人を助ける仕事へ応募するときの注意点を解説していきます。
応募前に会社や組織の将来性を確認しよう
働きたい仕事を見つけたら、応募前に会社や組織の将来性を確認することが大切です。
せっかく自分のやりたい人を助ける仕事に就けたとしても、将来性がない会社や組織だったら、長期的に安心して働くことは難しいかもしれません。将来性がないということは、倒産のリスクがあったり、雇用が不安定でリストラに遭う可能性もあります。
また、将来性のない職場ではキャリアアップの支援も少なく、自分の将来が描けない傾向にあります。
人を助けることができる仕事であったとしても、将来性がなくて自分で自分を助けることができないような仕事には応募しないようにしましょう。
志望動機に「人を助ける仕事がしたい」は避けよう
「人を助ける仕事をしたい」と思っていても、「人を助ける仕事がしたい」という志望動機では採用されることは難しいでしょう。
なぜ「人を助ける仕事がしたい」は採用される志望動機にならないのか、採用されるためにはどうすればいいかを、ここから説明していきます。
なぜ「人を助ける仕事がしたい」は志望動機でNGなの?
上述したとおり、どんな仕事であっても誰かを助けることにつながっています。
たとえば、プログラマーの仕事を「人を助ける仕事」とイメージするのは難しいかもしれません。しかし、プログラマーが組んだプログラムはシステムを作るのに必要で、そのシステムがなくて困っている人を助けているともいえます。そのため「人を助ける仕事をしたい」というのはどんな仕事にも当てはまってしまい、志望動機になっているとは言い難いのです。
また、採用担当者が知りたいことの1つは、「なぜ自社を志望するのか?」という理由です。「人を助ける仕事がしたい」という志望動機では、「同じ仕事ができるなら他社でもいいのではないか?」と思われてしまいます。たとえば、教師として働くことを希望したとき、どこの学校でもいい訳ではないですよね。学校の教育理念や指導方針などを検討して応募しているはずです。そうした「ここでなければいけない理由」を志望動機として述べる必要があります。
さらに、人を助ける仕事と広く認識されている仕事への応募では、「人を助ける仕事がしたい」という志望動機は採用担当者の記憶に残らないという弱点もあります。医師になりたい人から「患者を助ける仕事がしたい」と言われても、当たり前すぎて多くの応募者の中に埋もれてしまうのです。
「人を助ける仕事がしたい」気持ちを上手に伝えよう
「人を助ける仕事がしたい」というのが志望動機としてNGだからといって、「人を助ける仕事がしたい」という気持ちまで否定するものではありません。「人を助ける仕事がしたい」という想いを志望動機の中で上手に表現すれば、「採用される志望動機」にすることもできます。
まずは、その仕事をすることによって、どのような人を、どのように助けたいのか、そのために自分は何ができるのか、具体的に考えていきましょう。
漠然と「人を助ける仕事をしたい」と述べても、応募者が何を思っているのかを、採用担当者に共有することはできません。
「その仕事で何を成し遂げたいのか」「そのためには、なぜ自社でないといけないのか」を具体的に伝えることで、初めて志望動機として成り立つのです。
また、採用されるためには、その仕事をするのに自分が活躍できるというメッセージを明確に伝えることが重要です。採用担当者は、ただ単に「人を助けてほしい」と思っているわけではありません。自社の仕事に貢献できる人を探しているのです。
まとめ
人を助ける仕事であると実感しながら働くことができれば、仕事のやりがいを感じることもできるでしょう。人を助ける仕事というのは、キャリアに迷ったり、働くことが虚しくなった自分を助ける仕事でもあります。
この記事が、人を助ける仕事をするための一助になっていれば幸いです。