漠然と「就職したくないな」と考えている就活生はいませんか?
学生から社会人になるという環境の大きな変化に、不安や戸惑いを抱かない人はほとんどいません。実は多くの人が、1度は「就職したくない」「就活したくない」と考えています。
また、ここ数年で働き方は多様化されてきていて、就職する気にならないのであれば、就活しないことも選択肢になり得ます。
この記事では、就職しない生き方をする方法や、メリット・デメリットを紹介していきます。就職したくないと考えている学生さんは参考にしてみてくださいね。
就職しない生き方とは?
「就職しない生き方」とはどういったものか想像できますか?
意外かもしれませんが、高校や専門学校、大学を卒業したら必ずしも会社に就職しなければならないということはありません。 会社に属さずにお金を稼ぎ、生計を立てることは十分可能だからです。
確かに、就職をしなければ、複雑な組織のルールに囚われることもありません。時間や人間関係でも縛られにくくなり、自由に生きていけると感じる人もいるでしょう。
ただし、会社員でなければ収入は安定せず、社会的な信用を得にくい現実もあり、就職しないデメリットも知っておく必要があるのです。
就職しない生き方をする方法
働き方は多様化し、就職以外にも生きる道はたくさんあります。しかし、就職しない生き方をすることで、収入が安定した生活が送れない可能性もあります。
それでも就職したくないという人は、まず自分に合った働き方を探してみましょう。
コネ入社
「コネ入社」とは文字通り、会社の関係者とのコネクションを使って入社させてもらうというものです。
たとえば両親や親戚、大学の先輩などに会社と取り次いでもらい、優先して入社させてもらえるようにお願いします。そこで、会社側にコネ入社が有益だと判断されれば了承されやすいです。
また、コネのある社員が人事権を持っていると、通常の選考過程はなく、形だけの面接などで内定がもらえることになります。
ただし、入社後は、自分がコネ入社した事実が周囲にバレる可能性が高く、働きづらいといった声も多く聞かれます。
その理由は、コネ入社した社員が、会社側からいわゆる「特別扱い」される場合が多いためと考えられます。しかし、与えられた仕事をきちんとやり遂げたり、努力を怠らなければ評価はよくなるはずです。
公務員になる
勉強が好きだけど就活をしたくないという人は、公務員を目指すための「公務員試験対策」の勉強を行うのも選択肢の1つになるでしょう。
たとえば、都道府県で実施されている「地方公務員試験」に合格できれば、地方公務員として働けます。
公務員になる主なメリットは、一般的な企業と異なり、景気の動向に左右されて倒産したり、急に解雇されることがないことです。そのため、安定した収入が期待できます。
ただし、受験する際の年齢制限や受験要件などは、職種や、各都道府県ごとに異なるので、受験を検討したい人は応募要件をよく確認してくださいね。
起業
正社員として働くことにこだわりがなく、より自由に働き方をしたい人には、わざわざ大変な思いをして就活する意味を見いだせない人もいるでしょう。
そこで、学生のうちから勉強や資格取得を行い、起業家を目指す人もいます。仮に大学在学中に専門スキルを習得しお金を得られるようになれば、必ずしも就活は必要ないと考えられます。
ただし、 起業は簡単ではなく、経営に関して深く勉強したり、銀行や投資家の援助を受ける必要があるケースも。もし可能であれば、一度会社に就職し、経営スキルを身につけてから独立するという道も考えてみましょう。
結婚して専業主婦になる
大学卒業後、パートナーの収入に頼ることで、就職する必要がなくなる場合もあります。相手さえ見つかれば、結婚して専業主婦になることは現実的な選択肢になるでしょう。
また、専業主婦となって家事をほぼ全て担えば、スキルは自然と上がり、 また就活せずとも在宅ワークやアルバイトで稼ぐことも可能です。
ただし、大学卒業後にすぐ結婚すると、社会人としての経験が得られないこと、または周囲は働いている人が大半なので、立場に差を感じることも考えられます。
なお、在学中に婚約した人も、結婚は確約されたものではありません。何らかの理由で婚約が途中で破棄される可能性もあるためです。
なので、在学中に就活しないと決めた人は、相手から婚約破棄されないよう両家の同意をもらえると安心かもしれません。
進学・留学
大学で学んだ専門知識を追求したい、学問を極めて将来の仕事に活かしたいという熱意がある人は、大学院へ進学したり、海外留学することをおすすめします。
大学院などへ進学した場合、卒業後に再び新卒として就活できるメリットがあります。新卒での採用が有利である企業も多いので、就職では新卒という肩書が選択肢を広げてくれるでしょう。
その一方で、進学や留学するとなると、学費や渡航費など、金銭面の負担は大きいです。奨学金を利用するのか、親に負担してもらうのか、もしくは自分でアルバイトをするのかなど、まとまった資金を捻出する方法も考えておかなければなりません。
経済的に苦しい、勉強についていけないなどの理由で中退することにならないよう、十分気をつけましょう。
フリーターになる
明確な夢や目標を持っている人にとって、フリーターは現実的な進路となり得ます。
フリーターであれば就活のような手間もなく、職につくハードルも低めです。
また、フルタイムで勤務すれば、新卒社員並みの給料を稼ぐことも可能です。一定の条件を満たせば職場で社会保険や厚生年金に加入させてもらえるメリットもあります。
言うまでもなく、就職しなくても生活するためにお金は必要です。就職したくない人も、まずアルバイトを始め、最低限の生活費を稼ぎましょう。
ニートになる
就活しない大学生には、就職する意味が見いだせず、自由度の高いイメージのあるニートを選択する人もいます。
ニート生活を満喫して好きなことをしたい、将来についてゆっくり考えたいなど、人によって就職しない理由はさまざまです。
とはいえ、ニートを一生続けるのは難しいのが現実です。親や自分が病気や加齢で働けなくなれば、生活ができません。就職しないでニートになりたい人は、期間を決め、ゆくゆくは正社員就職を目指すのが無難です。
なお、既卒で就活する場合は、「既卒・中途採用歓迎」と定める企業を狙うと良いでしょう。卒業後何年以内を新卒者扱いとするかは企業によって異なるため、応募条件をしっかり確認してから応募しましょう。
就職しない大学生の心理
大学生の中には、将来の自分がイメージできず悩んでいる人も多いでしょう。
ここでは、就活しない大学生の心理を確認してみましょう。
働きたくない
就活しない大学生の中には、働くことに魅力を感じなかったり、会社や組織へ所属することに抵抗を感じる人も少なくありません。
確かに、大学生にとって自分が実際に企業で働いている姿を具体的に想像することは難しいものです。その結果、就職することや働くことに対してネガティブなイメージを強く持ってしまい、就活をしたくないと感じる人もいるでしょう。
自分が希望する職種が明確だと、就活の準備や企業研究も進めやすいですが、やりたいことが分からない場合は、就活が上手く進められないこともあるでしょう。
このように、向いてる仕事ややりたい仕事がわからないために、働きたくないと思ってしまう理由になっているかもしれません。
働きたい仕事が見つからない
先ほどお伝えしたように、就職したくない大学生は、「働きたい仕事が見つからない」と悩んでいる人が多いです。
実際に、将来の夢や目標がなければ、今何をすべきかも分からず、就活しない判断に至るものと考えられます。
確かに、学生時代の経験が将来の仕事に直結する就活生はごくわずかで、多くの就活生は就活で新たに今後の進路を考えることになります。 就活シーズンになっても興味がある職種が見つからなければ、就活自体に抵抗を感じる傾向があります。
就職しない生き方のメリット
会社に就職しない生き方の主なメリットは、以下のようなものです。
時間を自由に使える
就職しない生き方は、仕事に縛られず、時間を自由に使えるメリットがあります。
会社に就職しなければ、朝から仕事をする必要はありません。気兼ねなく自分の時間を設けられるのも嬉しいポイントです。
それに対して、就職をすると、仕事の都合で時間を縛られることになります。場合によっては、休日出勤しなくてはいけないこともよくあります。
また、就職しない場合は、自分の時間をしっかり確保でき、そのため将来についてゆっくり考えたり、資格勉強に打ち込んだりすることもできるでしょう。
就活のストレスを受けない
就職をしない場合、就活のストレスを受けることはありません。
就活中は、「就活を絶対に成功させたい」と意気込んでいた人や、他者から否定されることを苦に感じやすい人は、不安や悩みが増え、ストレスを抱えがちです。
たとえば「内定がもらえない」「選考がなかなか進まない」「面接でうまく答えられない」などですね。
就活で行き詰っている人は、就職しない生き方を検討してみてもいいかもしれませんね。
通勤ラッシュを避けられる
就職すると、通勤ラッシュなど、満員電車のストレスと向き合っていかなければなりません。
その一方で、就職しなければ、通勤ラッシュのストレスを受けることもなく、心身の負担は軽くなるといえます。
とくに、郊外から都市部に向かう通勤時間の電車内はとても混雑します。会社に着くころにはすでに疲れて果ててしまう方は多く、過度なストレスにより心身に不調が現れる人が多いです。
上手くいけば正社員以上に稼げる
会社に就職することが、生きていくための全てではありません。
基本的に、就職した会社が固定給を採用している場合、給料は安定していても、その額がすぐに上がることは少ないです。
しかし起業したり、フリーランスとして働けば、給料の金額は自分の努力次第で上がる可能性が高いです。実際に、20代でフリーランスになった人の中には、新卒で会社に入社する人よりも高い収入を得ているケースも。
このように就職した場合より高い給料が得られる可能性もあることから、「就職しない」という道を選択する人も多いのも頷けます。
就職しない生き方のデメリット
就活しない場合、メリットだけでなく、デメリットも確認しておきましょう。
キャリアを築きにくい
就職しない生き方では、安定した収入を得ることが難しく、仕事が軌道に乗らなければキャリアを築きにくいデメリットがあります。
たとえばフリーターであれば、役職などがない場合がほとんどです。そのため、何年働いてもキャリアアップを図りにくく、賞与や昇給などがない場合もあります。
その結果、定職に就かない人の生涯年収は正社員と比べると3分の1しかもらえないとも。こういった理由から、正社員で働いている人とのキャリアや収入差がだんだんと差がついていくのです。
社会的な信用を得にくい
就職しない場合のデメリットとして、毎月安定した収入が見込めないことから社会的信用を得にくいことが挙げられます。
社会的信用が得られないということは、クレジットカードの審査が通らなかったり、住宅ローンを組めなかったりすることがあります。
なので、将来結婚や子育てといった大きなライフイベントを考えるなら、就職し社会的信用は得ていた方が有利となります。
年齢を重ねるごとに就職が難しくなる
高校や大学卒業後、就職せず、フリーターとして生きていく方法もあります。学生時代のアルバイトをそのまま続ける人もいますね。
ただし、ずっとフリーターのまま生きていくことはできませんし、そもそも40代くらいになると、アルバイトでも採用されにくくなります。
20代前半くらいまではフリーターでも生活できるかもしれませんが、将来のことを考えると定職に就くのが無難です。
なお、新卒採用の枠以外で入社する場合、「中途採用扱い」になります。中途採用は実務経験やスキル、資格などが評価の対象となる傾向が高く、新卒採用よりハードルは高いです。
就職したい企業で働く上で、「新卒」というステイタスを失ってしまうのはデメリットといえます。
空白期間が生まれる
新卒で就職せず、働いていない期間が長くなるほど就職しづらくなります。
その理由は、定職に就いていない期間があると、企業の採用担当からは「その間何をしていたのか」が問われる可能性が高いためです。
そこで、明確な理由があり働いていなかったのであれば問題ありませんが、ただ漠然と働いていなかった場合は、就職は簡単ではないでしょう。
いずれ就活する可能性がある人は、面接官から高校や専門学校、大学卒業後の空白期間について聞かれた際、就職しなかった理由や、就職しなかった期間に得たことなどを説明できるよう準備しておくことをおすすめします。
まとめ
就職せずに自力で仕事をし、お金を稼ぐことはできます。しかしそれは就職する以上に大変だという現実があります。
また、就職しない場合でも「社会人」としての一般常識やスキルは必要です。数年就職してそれらを身に付けたあと、就職しない生き方を考えるもの良いでしょう。
なお、「本当は就職したいけど、対策方法が分からないから就活しない」という人は、まず就職エージェントに相談してみましょう。
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