「経済学部は就職できないって聞いたけど、本当かな…」
経済学部は就職できないという情報を見て、不安に感じている就活生は非常に多いです。
しかし、実際はどの業界にも就職しやすく、他の文系学部よりも数字を扱う機会が多いため、金融業界や情報通信業界で評価されやすいです。
そこで今回は、大手企業やベンチャー企業から内定を5つ獲得した経済学部生が、以下の内容を解説します。
- 経済学部は就職できない?私の就活体験談
- 経済学部で人気な就職先TOP3
- 経済学部におすすめの資格
10分ほどで一読できますので、経済学部の就活生はぜひご一読を!
経済学部は就職できない?私の就活体験談
経済学部はどの業界にも就職しやすく、「経済学部は就職できない」ということは全くありませんでした。
なぜなら経済学部は、他の文系学部よりも数字を扱う機会が多いため、「論理的思考力や課題解決力を持っている」と企業に見てもらえるからです。
例えば私は面接の際に、自己PRで数字やデータを使うことを心がけていたのですが、面接官の反応は毎回良かったです。
実際に日本経済団体連合会によると、企業が大卒者に期待する能力としては「課題設定・解決能力」や「論理的思考力」が挙げられています。
さらに企業が大卒者に期待する知識としては、「文系・理系の枠を超えた知識・教養」が最も多く、理系だから就活に強いというわけではないことも分かるでしょう。
ただし、経済学部であれば誰でも就職で成功できるわけではありません。
本当に就職を成功させたい方は、簿記2級などの資格を取得したり、自己分析や企業分析など、就活対策を徹底したりしましょう。
参考:日本経済団体連合会|採用と大学改革への期待に関するアンケート結果
経済学部で人気な就職先TOP3
東京大学や早稲田大学、明治大学の進路データによると、経済学部で人気な就職先は、以下の3つの業界です。
- 金融・保険業
- 専門サービス業
- 情報通信業
それぞれ解説します。
参考:東京大学の概要
参考:早稲田大学政治経済学部|卒業後の進路
参考:明治大学|就職データ
金融・保険業
経済学部で最も人気な就職先は、「金融・保険業」です。
なぜなら、経済学部で学ぶ金融論や財政学と「金融・保険業」の事業内容は近く、働くイメージがしやすいからです。
具体的には、早稲田大学からは「東京海上日動火災保険」や「三菱UFJ銀行」、明治大学からは「三井住友銀行」や「明治安田生命保険」に就職する人が多いです。
さらに「金融・保険業」は、平均年収が高い点でも人気です。
例えば、早稲田大学でいちばん人気の「東京海上日動火災保険」は、平均年収が約1400万と非常に高いです。若いうちから稼ぎたい人は、ぜひ挑戦してみてください。
専門サービス業
経済学部では「専門サービス業」、特に外資系コンサルティングファームが就職先として人気です。
なぜなら外資系コンサルティングファームは給料が高く、20代で年収1000万円以上稼ぐ人も少なくないからです。
またロジカルシンキングや仕事の段取り、専門知識など仕事のベースとなるスキルが身につきやすいため、将来起業や独立を考えている人からも人気があります。
具体的には、早稲田大学からは「PwCコンサルティング」や「アビームコンサルティング」、明治大学からは「アクセンチュア」に就職する人が多いです。
ただし外資系コンサルティングファームは、人事制度が日本の企業のそれとは大きく異なっており、「UP or OUT(昇進するか、さもなくば退職するか)」と言われています。
激務かつ求められる能力が非常に高く、平均勤続年数は3〜6年と言われており、入社後早々に転職する人も多いです。
安定よりも成長を仕事に求める人は、ぜひ挑戦してみましょう。
情報通信業
近年の経済学部では「情報通信業」も就職先として人気です。
なぜなら「情報通信業」には、福利厚生が充実していたり、自由な働き方を推奨したりしている企業が多いからです。
例えばYahooでは、どこで仕事をしても良い「どこでもオフィス制度」や、就業する時間を自分で決められる「フレックスタイム制」が導入されています。
東京大学や早稲田大学、明治大学からは「NTTデータ」や「楽天」が人気です。
ただし楽天に関しては、近年「楽天モバイル」の赤字が続いており、私の知人は営業職ではなくても、1人あたり5台の営業ノルマが与えられています。
福利厚生や社会的認知度だけで就職先を決めてしまい、入社後に後悔しないように気を付けてください。
参考:Yahoo!|リモートワーク制度「どこでもオフィス」の利用状況を発表
経済学部の就職先での職種3選
経済学部が就職先で配属される職種は、以下の3つが多いです。
- 営業
- コンサルタント
- 会計・経理
それぞれ解説します。
営業
経済学部に限らず文系学部の新卒は、ほとんどの人が「営業職」に配属されます。
なぜなら、どんなに良い商品やサービスを開発しても、営業をしないと利益が生まれないからです。営業職はどの企業にも必ず存在する職種と言えます。
例えばSaaS(Software as a Serviceの略)企業は、ネット上で使うサービスを販売していますが、サービスを導入する企業が急増しているため、営業職を大量に募集しています。
また経済学部出身の人は、営業職として活躍しやすい傾向があります。
理由としては、経済学部は他の文系学部よりも数字を扱う機会が多く、営業成績の管理が得意な傾向があるからです。営業マンは数字に強い必要があるため、経済学部は歓迎されるでしょう。
ノルマは厳しいかもしれませんが、活躍できるように頑張ってください。
コンサルタント
経済学部で人気の外資系コンサルティングファームに就職すると、コンサルタントに配属される可能性が高いです。
コンサルタントは、ロジカルシンキングや仕事の段取り、本業の知識など仕事のベースとなるスキルが身につきやすいため、転職や起業に興味がある学生に人気があります。
実際に私の知人でも、「キャリアに箔をつけたい」や「起業するために地力をつけたい」という理由で、外資系コンサルティングファームに就職する人が多いです。
ただし、外資系コンサルティングファームの人事制度は、日本企業のそれとは大きく異なるため注意しましょう。
「UP or OUT(昇進するか、さもなくば退職するか)」と言われており、激務かつ求められる能力が非常に高く、平均勤続年数は3〜6年と言われています。
そのため経済学部の中でも、成長志向の人はコンサルタントに向いているでしょう。興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
会計・経理
経済学部出身の人は、「会計・経理」に配属されることもあります。
なぜなら学生時代に簿記や税理士、公認会計士の勉強をしていた人が多く、即戦力として活躍できるからです。
私の知人でも、新卒で「会計・経理」に配属されてから、会社の経営を左右する意思決定に関わったり、経営陣へのアドバイスをしたりしている人もいます。
ただし仕事内容としては、1日中パソコンに向き合って事務作業をするため、コツコツと作業ができる必要があります。
向き不向きが比較的はっきりしているため、自己分析をして向いていると思う人は、「会計・経理」に挑戦してみましょう。
経済学部におすすめの資格
経済学部の就活生は、資格を取得していると選考を有利に進められる場合があるため、おすすめの資格を会計系と語学系に分けて紹介します。
【会計系】
資格名 | 資格内容 |
簿記(2級以上) | 高度な商業簿記、工業簿記を習得し、財務諸表を扱えることを証明する資格 |
FP技能検定(2級以上) | 顧客の収支・負債・資産状況をもとに、資金計画を行えることを証明する国家資格 |
公認会計士 | 企業の経理業務やコンサルティング、税務業務を行えることを証明する国家資格 |
公認会計士は取得難易度が非常に高いため、他の学生との差別化につながります。しかし、取得に時間がかかるため、大学3年生以上の人には簿記かFP検定がおすすめです。
【語学系】
資格名 | 資格内容 |
TOEIC(800点以上) | ビジネスレベルの英語使用者であることを証明する資格 |
HSK(5級以上) | ビジネスレベルの中国使用者であることを証明する中国政府公認の資格 |
DALF(C1以上) | ビジネスレベルのフランス語使用者であることを証明する資格 |
経済学部で人気な「金融・保険業」や「専門サービス業」、「情報通信業」には海外展開している企業も多く、語学系の資格が役立ちます。英語はもちろんですが、中国語やフランス語の資格も保有していると、他の学生との差別化につながるでしょう。
【経済学部向け】就活を成功させる3つのポイント
経済学部の就活生に向けて、就職を成功させるポイントを3つ紹介します。
- 自己分析
- 企業研究
- WEBテスト対策
私は上記の方法を実践して、東京の大手上場企業やベンチャー企業から5つ内定を獲得しました。実際に使用したツールも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
自己分析
経済学部の人が就職を成功させる上で、最も重要なのは「自己分析」でしょう。
なぜなら自分に合う会社を見つけるには、「自分はどんな職種が向いているのか」や「やりがいと年収のどちらを重視するか」など、就活の軸を言語化する必要があるからです。
そして私が実際に使用した自己分析ツールは、「ストレングスファインダー」です。
ストレングスファインダーでは、平均30分間で177個の質問に答えるだけで、34個の資質の中から、自分が秀でている5つの資質を知ることができます。
アクセスコード付きの書籍を購入する場合は1,980円、公式サイトから直接購入する場合は2,340円ですが、人事配置に活用する企業があるほど、自分の強みを正確に把握できます。
就職を本気で成功させたいと思っている方は、ぜひ活用してください。
またストレングスファインダーの他にも、無料の自己分析ツールも存在します。以下の記事では、おすすめの自己分析ツールを16個紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
参考:自己分析診断ツールのおすすめ16選!使い分けや活用法を紹介
企業分析
自己分析をした後は、「企業研究」をしましょう
なぜなら企業研究をすると「その企業でないといけない理由」を明確にできるため、志望動機が面接官に刺さりやすくなるからです。
特に経済学部には、「銀行ならどこでもいい」や「とりあえず年収が高い企業がいい」のように、志望動機が曖昧な就活生が多いです。
事業内容やビジョン、創業の背景などを志望動機に組み込み、「うちで本当に働きたいんだな」と面接官に認めてもらえるようにしましょう。
そして企業研究の際に、私が実際に使用したツールが「OneCarrer」です。
OneCarrerとは、約47,000社の内定者のESや、面接で聞かれた内容を見られる就活サイトです。他サイトに比べて情報の質が高いため、ES作成や面接対策に役立つでしょう。
またOneCarrerの他にも、逆紹介型やエージェント型などの就活サイトが存在します。以下の記事では、おすすめの就活サイトと選び方を解説しているため、参考にしてください。
参考:就活サイトのおすすめはどこ?21選を選び方やメリットと共に紹介
WEBテスト対策
経済学部の就活生は、WEBテスト対策を大学3年生の春から始めるのが理想的です。
なぜなら経済学部には大手志向の人が多く、大学3年生の後半になると、ES作成や面接対策、インターンに時間を取られる人が多いからです。
さらに大学4年生は卒論で忙しく、最低取得単位が決まっている大学ではテストもあるため、WEBテスト対策に充てる時間は基本的にはありません。
実際に私は大学3年生の春から、「寝る前に毎日20分」や「通学時に10問ずつ解く」のようにルールを決めて勉強していました。
早い人は大学2年生のうちから対策を始めているため、できるだけ早くWEBテスト対策をするようにしましょう。
まとめ
経済学部はどの業界にも就職しやすく、「経済学部は就職できない」ということは全くありません。
なぜなら経済学部は、他の文系学部よりも数字を扱う機会が多いため、「論理的思考力や課題解決力を持っている」と企業に見られているからです。
そのため就職先としては、「金融・保険業」や「専門サービス業」、「情報通信業」など、平均年収が高く知名度も高い企業に就職する方が多いです。
ただし経済学部であれば、誰でも就活が成功するわけではありません。
就活を成功させたい経済学部の方は、簿記2級やFP検定などの資格を取ったり、自己分析や企業分析などの就活対策を徹底したりしましょう。