人々の生活に決して欠かすことのできない「食」に関する仕事である食品業界。具体的にはどのように成り立っているのでしょうか?当記事では、食品業界の仕組みや就活に役立つ情報を発信していきます!
食品業界とは?仕組みを解説
ひとくちに食品業界と言っても、その中には様々な役割を担う企業が存在します。食品業界における企業の種類は大きく3つあります。
- 第一次産業
- 商社
- 食品メーカー
順番にどのような役割を担っているのか解説していきます。
第一次産業
農産物、水産物などの食品の原料を作る企業です。私たちの暮らしに欠かせない「パン」を例にするなら、小麦を生産しているのが第一次産業になります。
商社
海外から原材料を買い付けたり、国内の原材料を食品メーカーに流したり、食品に関わる売り手と買い手の取引の仲介をする企業が商社です。
食品メーカー
第一次産業が生産した原材料を加工し、食品として小売店や飲食店に届けるのが食品メーカーです。原料の仕入れ、加工、出荷など食品業界の中心的役割を担っているのがこの食品メーカーになります。
食品業界の仕事内容
食品業界には第一次産業から食品メーカーまでさまざまな企業がありますが、原料を加工し、消費者に届けるという一連の流れは共通しています。そのため、各種ともに職種に大きな違いあありません。食品業界の仕事内容は大きく5つに分けられます。
- マーケティング
- 商品開発
- 営業
- 広報
- 生産管理
それぞれ順番に解説します!
マーケティング
食品業界における市場の分析や、消費者のニーズの調査が主な仕事です。市場調査、データ分析、商品開発などを通して、他社よりも早く消費者の求める商品を市場に投入することが重要なポイントになります。
商品開発
商品開発は名前の通り、新商品を開発したり既存商品の改良をする仕事です。一種の研究職であり、基礎研究や応用研究をもとに、これまでにない商品を開発します。
営業
スーパーやコンビニなどの小売店に自社の商品を提案する仕事です。相手の話をよく聞いたり、自社商品をうまくアピールする円滑なコミュニケーション能力が求められます。
広報
商品の販売促進の役割を担う仕事です。テレビ、雑誌、SNSなど、商品の特徴やターゲット層に合わせてさまざまなメディアで多様な形の販売促進を行います。
生産管理
食品の生産工程における司令塔的な役割で、生産計画の作成、進捗管理、品質管理などを行います。消費者の食の安全への意識は高まっている傾向にあるため、生産管理の役割も同時に重要性を増しています。
食品業界に必要な資格や経験
食品業界に関しては、必須の資格は資格はありません。もちろん食品業界で働くにあたって役立つ資格はいくつかありますが、それらは就職後でも取得できます。就活中は資格取得ではなく、自己分析や業界研究に時間を割く方がよいでしょう。
食品業界が向いている人の特徴
どんな業界にも人によって向き不向きがあるもの。では、食品業界に向いている人とはどんな人でしょうか?一概には言えませんが、例えば以下のような3点の特徴が挙げられます。
- 食に対する強い関心
- 好奇心やチャレンジ精神
- 責任感と真面目さ
具体的に解説します!
食に対する強い関心
どの業界で働くにあたっても基本中の基本ともいえるのが、その業界への強い関心。食品業界に関しても例外ではなく、「食」に強い関心が合ったり、貢献したいと思える人は向いていると言えるでしょう。
好奇心やチャレンジ精神
「食」に関するニーズやトレンドは次々と変化していきます。それらの変化を見逃さず。絶えず消費者の需要を追い続け、新しいことにチャレンジする好奇心が必要です。
責任感と真面目さ
前述したように、人々の食の安全への意識は年々強まっており、それに伴い「食品の安全管理」の責任はより大きくなっています。そのため、食品業界で働く人には、消費者に安心安全な食品を届けることに対する責任感や真面目さが求められます。
食品業界の魅力や就職するメリット
食品業界で働くことの魅力やメリットはいったい何でしょうか?これに関しては大きく2つあります。
- 安定した業界であること
- 人の生活に不可欠なことに携われる
これらの魅力やメリットが、就活における志望動機に繋がるかもしれませんね。詳しく解説します。
安定した業界であること
「食」と言うのは人々の生活になくてはならない存在です。よって食品業界がなくなることはありません。「安定した業界に務めることが自分にとって重要だ」という人にとってはとてもよい業界の1つと言えます。
人の生活に不可欠なことに携われる
既に何度か述べたとおり、「食」は毎日の生活に必要不可欠。そのような業界に務めることは、大きなやりがいや達成感に繋がります。働く上でやりがいや人々への貢献度を重要視する人にとっては貴重な業界です。
食品業界の大変さや就職するデメリット
メリットとデメリットは表裏一体の側面があります。食品業界で働くことで大変なのは、「責任の重さ」です。誰しもが生きる上で必須である「食」という存在。必須であるがゆえにその責任もとても大きくなります。
食品業界の有名企業ランキングTOP5
次に、食品業界の有名企業をランキング形式でご紹介します!
引用元:キャリタス就活「発表!2023年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?~就職希望企業ランキング:業界別編~」
- サントリーグループ
- 味の素
- 明治グループ
- キリン
- ロッテ
それぞれどのような会社か解説します!
サントリーグループ
サントリーホールディングス株式会社を中心とするグループ会社。洋酒、ビール、清涼飲料水の製造、販売を行う企業グループ。
味の素
日本の食品企業。「味の素」は、同社が製造販売するうま味調味料で、商標登録されている。現在のコーポレートスローガンは、「Eat Well, Live Well」。
明治グループ
菓子、牛乳、乳製品などの製造販売を行っている企業。著名な商品は、「キノコの山/たけのこの里」、「果汁グミ」、「明治ブルガリアヨーグルト」などがある。
キリン
キリンホールディングス株式会社は、ビールメーカーの「キリンビール」、清涼飲料水メーカーの「キリンビバレッジ」を傘下に持つキリングループの持株会社。
ロッテ
日本の菓子メーカー。著名なな商品は、「チョコパイ」、「雪見だいふく」、「キシリトールガム」など多岐にわたる。
食品業界の志望動機の書き方
食品業界の志望動機を考える上で重要な点は2つ挙げられます。
- 食へのこだわりをアピールする
- その企業を選んだ理由を明確にする
なぜこの2点が重要なのでしょうか?また、具体的にどのように志望動機を書けばよいのでしょうか?順番に述べていきます。
食へのこだわりをアピールする
食品業界を志すのであれば、「食」に強い関心があることは大前提となります。つまり、ただ「食べることが好き」ということを熱烈に伝えてもそれ自体は差別化にはなりません。
あなたならではの食へのこだわりを伝える必要があるのです。これまでの経験を振り返り、食に関して他者とは違う側面を思い出し、志望動機を考えてみましょう。
その企業を選んだ理由を明確にする
食品業界には幅広く様々な企業があります。なぜ、その企業でなければならないのか?他の企業ではなぜダメなのかを明確に伝えましょう。先ほどは自分自身の差別化について述べましたが、今度は企業の差別化です。
食品業界の自己PRの書き方
次に、自己PRで重要な点について述べていきます。以下の2点が食品業界の自己PRにおいて重要なポイントになります。
- あなたは企業にどのように貢献できるかを伝える
- 食への関心をアピールする
具体的にはどのように重要なのでしょうか?解説します!
あなたは企業にどのように貢献できるかを伝える
あなたがどれだけ食品業界やその企業に就職したくても、企業から必要とされる人材と思われなければ、それはかないません。企業目線になり、どのような人材が求められるかを考えてみましょう。
前述した「食品業界に向いている人の特徴」はまさに企業が求める人材になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
食へのこだわりをアピールする
これは志望動機のポイントとしても述べました。食への関心、こだわりを伝えるのは志望動機においても自己PRにおいても重要なのです。どの業界/企業に対する自己PRでもそうですが、具体例を述べるとより良いです。
「食」に関して、他の人にはない、あなただけの経験が必ず1つはあるはず。それらを活かして、他の就活生には書けない自己PRにしましょう。
食品業界の年収や給料!ボーナスはいくら?
業界によってやはり収入には差が生まれてきますが、食品業界の年収や給料はどの程度なのでしょうか?
データ引用元:マイナビエージェント(平均年収ランキング)
年収
食品メーカーの平均年収は439万円です。全メーカーの中ではやや低めですが、生活に必要不可欠な安定的な市場ですので、そこは安心と言えます。
月収
平均年収の439万円を12で割って単純計算すると、月収は約36,6万円になります。
ボーナス
具体的な金額は企業により異なりますが、一般的な企業と同じで夏と冬に1回ずつ支給される企業が多いようです。
食品業界の動向や今後の将来性は?
気になる食品業界の動向や将来性ですが、人々にとって不可欠な業界であることは間違いありません。なくなることがなく、売上の起伏も少ない安全な市場と言えるでしょう。
食品業界のよくある質問
食品業界を目指すうえで、多くの方が抱える疑問をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
食品業界は文系or理系でも活躍できる?
どちらかに有利ということはなく、文系理系問わず活躍できる業界です。ただ、商品開発のような研究職はやはり理系が主となって活躍する業種になります。
食品業界のコロナによる影響は?
食品業界の中でも、飲食店に関しては人々の外出自粛を受け、大きな影響がありました。ファストフード店はテイクアウト、デリバリーにより支えられた一方で、居酒屋はコロナ前と比べ、大きく売上を減らしました。
参考文献:農林水産省「新型コロナウイルス感染症による影響と対応」
海外の日本食ブームってほんとう?
世界的に日本食ブームが起こっており、国内の食品業界では海外進出の動きが活発化しています。なかでも「食」の好みが日本人と近いアジア圏は特に進出している企業が多いです。
参考文献:農林水産省「農林水産物・食品の輸出拡大を後押しする食産業の海外展開ガイドライン」
食品業界の現状と将来性は?
食品への異物混入や表示偽装などによる不祥事をニュースで目にする機会が増えましたよね、今後は「食の安全性」への意識がより高まっていくと言われています。ESや面接では、この「食の安全性」について問われる場面もあるかもしれません。ある程度の知識とこれに対する考え方を持っておきましょう。
参考文献:農林水産省「新型コロナウイルス感染症による影響と対応」
まとめ:食品業界を目指すうえで大切なこと
再三述べたように、食品業界は浮き沈みが少ない安定した業界です。しかしその分、志望する就活生も多いでしょう。ESや面接において周りの就活生との差別化が一層重要になります。あなただけの「食」へのこだわり、食品業界であなたにしかできないことは何か、ぜひよく考えてみてください。