「就活がうまくいかなかったから、また来年リベンジしようかな…」
こう考えている23卒就活生の方はいらっしゃいますか?
就活がうまくいかなくて、再度リベンジしたい、という気持ちはよくわかります。
ただ、就活浪人には大きなリスクもあります。そのリスクを把握しないと再度就活が失敗してしまうことも大いにありえます。
もちろん就活浪人にはメリットもあります。自身の意志と行動力次第では納得のいく就活を行うことも可能です。
まずは就活浪人がどういうものなのか、また浪人するメリットやデメリットはなんなのか、を把握しましょう。把握した上で決意を固め、就活浪人に挑みましょう。
就活浪人は新卒扱いになる?割合や成功するための過ごし方
この記事をご覧になっている方は、「就活浪人の定義」や「実際に就活浪人する人の割合」についてはご存知ですか?
まずは就活浪人の定義や割合について、以下の3つのポイントに分けて詳しく説明していきます!
- 就活浪人は新卒扱いにならない?既卒扱いになる
- 就活浪人・就職留年・第二新卒の違い
- 就活浪人の割合は?
就活浪人は新卒扱いにならない?既卒扱いになる
就活浪人を考えている人が最も留意してほしいこと、それは「就活浪人は新卒扱いになりづらい」ことです。
新卒の定義としては、「今年度中に大学を卒業することが見込まれる学生」であることが一般的です。大学を卒業してから、一年後の4月の就職に向けて就活を行う人は、この定義から見ても新卒扱いはされません。
近年では、「卒業後3年以内の既卒者については新卒扱いされる」場合もありますが、あくまで一部企業に限るので、今回の記事は「就活浪人=既卒」という前提で展開していきます。
就活浪人・就職留年・第二新卒の違い
就活浪人と就職留年は「大学に籍を残しているのかどうか」が一番の違いとなります。また前者二つと第二新卒の違いは「一度社会人を経験したのかどうか」が一番の違いとなります。
具体的にいえば、
就活浪人は「就職先が決まらないまま大学を卒業し、本来社会人一年目となる年齢で再度就職活動に取り組む人」
就職留年は「大学在学中に就活で望む結果が得られなかったため、就職で望む結果が得られるまで大学を意図的に留年する人」
第二新卒は「新卒で就職した企業を数ヶ月〜数年で離職し、別の企業への転職のために再度就職活動する人」
のことを指します。
似たような言葉ですが意味は全く異なるので注意しましょう。
就活浪人の割合は?
就活浪人の割合は2%〜3%前後といわれています。
文部科学省と厚生労働省のデータによると、20卒大学生の就職率は98.0パーセント、21卒大学生の就職率は96.0%です。裏を返せば大学卒業時点で就職以外の道を選んだ人の割合は20卒が2%、21卒が4パーセントとなります。
ただ就職していない人の中でも起業や専門学校への進学という道を選ぶ人もいるので、実際に就活浪人を選ぶ人の割合は2%〜3%前後と考えるのが自然でしょう。
就活浪人のメリット
就活浪人については否定的な意見が目立っていますが、もちろんメリットもいくつか存在します。メリットをうまく活かすことができれば新卒時点よりもよりよい就職ができます。
就活浪人の大きなメリットを、以下の3つのポイントに分けて説明していきます。
- 金銭的・時間的な余裕があること
- 経験を活かせること
- 落ちた企業に再度応募できること
金銭的・時間的な余裕がある
就活浪人のメリット一つ目は、「金銭的・時間的な余裕があること」です。
就活浪人はすでに大学を卒業しているため、大学の授業やサークルに時間を奪われず、就職活動に時間を捧げることができます。
また就活留年と違い大学に追加分の学費を払う必要もないほか、浪人中自分の決めた時間分アルバイトを行い給与を得ることができるので金銭的な余裕も大きいです。
新卒の代よりも単純に時間とお金をかけることができるので、就活生がおざなりになりがちな自己分析や業界分析にもより多くの時間を割けます。また有料の就活セミナーなどにも新卒時より手を出しやすくなるでしょう。
経験を活かせる
メリット二つ目は、「新卒で就職活動していたときの経験を活かせること」です。
就活浪人は一度就職活動で失敗してしまった以上、その失敗の経験を浪人中に活かすことができます。
「新卒のときにああすればよかった、こうすればよかった」という経験を糧にもう一度就職活動に取り組めるので、その点では新卒時点よりも有利に就活を進められます。
落ちた企業に再度応募できる
メリット三つ目は、「落ちた企業に再度応募できること」です。
就活は大学受験と一緒で基本一発勝負ですが、就活浪人という道を選べば、既卒募集を行なっている企業に限り再度リベンジすることができます。
もちろん面接の際には「なぜ就活浪人という道を選んだのか」問われます。その際に自分が就活浪人を選んだ理由、浪人中自分がなにをしていたのか、浪人を選んででもその企業に行きたい理由はなんなのか、をきちんと説明できれば、新卒の時よりも合格する確率が高まるかもしれません。
就活浪人のデメリット
もちろん就活浪人はメリットと同様デメリットもあります。デメリットを把握しないまま就活浪人の道を選ぶことは絶対に避けましょう。
就活浪人の大きなデメリットを、以下の3つのポイントに分けて説明していきます。
- 既卒になること
- 学校のサポートを受けられないこと
- 企業によっては不利になってしまうこと
既卒になる
就活浪人のデメリット一つ目は、「自分自身が新卒ではなく既卒扱いになる」ことです。
最初の項で説明したように、ほとんどの企業で就活浪人は新卒ではなく既卒扱いになります。「新卒カードが切れなくなる」とはまさにこのことです。
企業の中には既卒者の募集を行なっていない場合もあります。特に大企業ではそのほとんどが既卒の募集を行なっていません。企業の募集要項をよく読み、応募したい企業が既卒者の募集を行なっているのかどうかきちんと確認しましょう。
学校のサポートを受けられない
デメリット二つ目は、「学校からのサポートを受けられない」ことです。
就活浪人は既卒扱いで大学もすでに卒業しているため、在学時に受けられた就職サポートを受けることができません。大学で受けられるサポートはそのほとんどが無料であるうえに手厚いものが多いので、このサポートを受けられないことは大きな痛手でしょう。
既卒向けにサポートを行なっている人も中には存在しますが、高額な費用を請求される場合が多く、中には大損してしまった人も存在します。悪質な勧誘には深く注意しましょう。学外からのサポートを受ける場合にはそのサポートを実際に受けた人から話を聞いてみたうえで判断しましょう。
企業によっては不利になる
デメリット三つ目は、「企業によっては採用段階で不利になる」ことです。
既卒採用を中止している企業(新卒採用のみ行なっている企業)は多く存在し、そういった場合既卒者は選考の土俵にすら立てません。
既卒採用を行なっている場合でも、同じ能力を持つ新卒者と既卒者が存在すれば必然的に新卒者が優遇される場合が多いです。
正直企業は既卒者よりも新卒者を優遇します。だからこそ就活浪人を選ぶのなら、自分が就活浪人中になにを得られたのか、新卒の就活生と自分をどう差別化できるのか、を念頭に置きながら自分を人事の方にアピールしていきましょう。
就活浪人が成功するための過ごし方
ここまで就活浪人のメリットやデメリットを説明してきましたが、就活浪人が成功するかどうかは完全に自分の行動次第です。
浪人中自分がどう行動すればよいのか、以下の4つのポイントに分けて説明していきます。
- 自己分析をやり直すこと
- 業界研究をすること
- スキルアップをすること
- 公務員試験を狙うこと
自己分析をやり直す
就活浪人を成功させたいのなら、まずは自己分析をやり直してみましょう。
就活に失敗してしまった原因として、自己分析がうまくできていなかった、ということも大いにありえます。だからこそ自己分析に再度取り組み、自分はどういう性格で、なにができるのか深掘りしていきましょう。
業界研究をする
自己分析と同様に、業界研究にも再度取り組んでいきましょう。
新卒時点で就活に失敗してしまった原因として、自分が志望していた業界への理解が足りなかった、ということも大いにありえます。
業界研究を繰り返し、自分の就活の軸はなんなのか、について再考してみましょう。
スキルアップをする
就活浪人を成功させるためには、自分自身のスキルアップも必要です。
この機会に企業から必要とされるスキルを習得することができれば、企業の即戦力になれる可能性が高まります。
また新卒時点の自分よりも既卒時点の自分の方が資格やスキルを持っていれば、昔の自分と今の自分を差別化することができます。これは人事の方にも自分自身を印象付けることができるでしょう。
ただ一つだけ注意をしてほしいことが、本当に自分に必要なスキルを見極めることです。
企業で働く上であまり役に立たないスキルや資格も市場には存在します。そういったスキルの習得に時間を割くばかりに、自己分析や業界分析が疎かになってしまうこと、本当にとるべきスキルの習得がおざなりになってしまうことは逆効果になっていまいます。
いまの自分に本当に必要なスキルがなんなのか見極めた上で、そのスキルを確実に習得するのが一番効率がよいでしょう。
公務員試験を狙う
あえて公務員試験に挑戦してみることも、就活浪人を成功させるための一手となります。
そもそも公務員試験は春から初夏に試験日が集中しています。そのため春から初夏は公務員試験に集中し、秋以降は一般企業を受けてみる、といった選択を取ることができます。
また既卒者は新卒者に比べて時間があるため、公務員試験対策により多くの時間を注ぐことができます。
公務員試験合格のためには、一般的に1000時間〜1200時間の勉強時間が必要といわれていますが、大学の授業や卒業論文の準備などが残っている新卒生と比べれば、膨大な時間を捻出することも容易でしょう。
ぜひ公務員試験を受験することも選択肢に入れてみてください。
就活浪人に関するよくある質問
これまでご説明したように就活浪人については疑問点が多く、また人数も少ないので疑問点がまだたくさんあると思います。
そんな就活浪人について、よく寄せられる4つの質問について回答しました。
- 就活浪人はコロナで増えた?
- 「就活浪人はやめとけ」と言われる理由は?
- 就活浪人は第二新卒になる?
- 就活浪人はOB・OG訪問は利用できる?
就活浪人はコロナで増えた?
結論から言えば増えています。大きな原因として新型コロナウイルスの影響で企業の採用スケジュールが早期化し就職活動から取り残される人が増えたこと。市場が売り手市場から就活生にとって不利な買い手市場に変化してきていることがあげられます。
「就活浪人はやめとけ」と言われる理由は?
大企業のほとんどが既卒者を採用していないこと、既卒者を採用している企業でも新卒に比べ既卒者が冷遇される場合が多いこと、の2点が大きな原因です。
就活浪人は第二新卒になる?
一度企業に就職しないかぎり第二新卒にはなりません。
就活浪人はOB・OG訪問は利用できる?
利用できます。
現在ではOB・OGと就活生をマッチングするサービスが存在するほか、自分の大学時代のつてを利用してOBやOGとつながることも可能です。
就活浪人になったら気持ちを切り替えて行動しよう
就活浪人に一度なってしまったら、落ち込んでしまって次の行動に踏み出せなくなる就活生も多いはずです。なかなかすぐに立ち直ることは難しいですよね。
それでもすぐに気持ちを切り替えて、小さな一歩を踏み出してみましょう。
幸いなことに就活浪人生には新卒生よりも就活に割ける時間があります。自己分析や業界研究をやりなおすことができますし、エントリーできる企業の絶対数も立ち回り次第では増やすことができます。時間をうまく使うことができれば、新卒の時の自分よりも確実にうまく就活できます。
だからこそ一分一秒を無駄にしないためにも、就活浪人を決意したその日、どんなに遅くとも一週間以内には新たな一歩を踏み出しましょう。