「コンビニ業界は安定していて働きやすそう」
誰でも知っているコンビニ業界は、就活生に人気です。
しかし、身近でありながら、業界のしくみや仕事内容、年収など、詳しいことはわからないのではないでしょうか。
弁当やパン、飲み物だけでなく、宅配便の取り扱いやチケット発券、コンビニ独自のプライベート商品の展開など、コンビニの需要は高まっています。
そこで本記事では、以下の内容を解説します。
- 業界の動向や将来性
- 働くメリットや業界の魅力
- 就活対策のポイント
コンビニ業界が気になる就活生向けに役立つ内容をまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
コンビニ業界とは?仕組みを解説

コンビニは、食品や飲料、日用品から雑誌など幅広い商品を取り扱う24時間営業の店舗です。
コピー機の利用や宅配便の発送・受け取り、公共料金やネットショッピングの払い込み、銀行ATMなど日常生活で便利なサービスも行っています。
コンビニは、メーカーや卸売業者から商品を仕入れて、店舗販売をしています。そのため、デパートやスーパーマーケット、アパレルショップといった小売業界のひとつです。
このほか、自社で企画開発から製造まで手がけるオリジナル商品の販売も増えています。
コンビニは生活に身近な存在のため、コンビニ業界の販売する商品や働き方はイメージしやすいでしょう。
ちなみに、コンビニ店舗は経営方式によって以下の2種類に大別されます。
- フランチャイズ(FC)店
- 直営店
フランチャイズ(FC)店
フランチャイズ方式によるビジネスモデルは、コンビニ企業の大きな特徴です。
町で見かけるコンビニの多くはフランチャイズ店です。
店舗のオーナーは「ロイヤリティ」と呼ばれる権利金を支払います。
その代わりに、コンビニ企業のフランチャイズ本部は、店舗にコンビニ企業のブランド名を使う権利や、商品の仕入れ、経営方法などを提供します。
フランチャイズ店なら経営が初めての人でも本部からノウハウを学びながら、知名度の高いコンビニの名前でお店が経営できます。
直営店
コンビニ企業が直接経営している店舗を直営店といいます。
直営店では、本社の社員が店長として勤務します。
コンビニ企業のモデル店舗として、フランチャイズ店の経営を希望する人の見学や研修にも利用されています。
コンビニ業界の仕事内容

コンビニ業界の仕事内容には、大きく分けて次の4つの職種があります。
- 販売・店舗運営
- バイヤー
- 販売促進
- 店舗開発
それぞれ確認していきましょう。
販売・店舗運営
直営店での販売や商品の仕入れ、店舗スタッフの育成・管理、店舗の経理などを行います。
店舗でのレジ打ちや商品の陳列をはじめ、店長として季節や地域によって商品選びをして発注したり、パートやアルバイトを採用して研修後、シフト管理を行ったりします。
接客する機会が多いため、人とのコミュニケーションが好きな人、得意な人は活躍できるでしょう。
本社社員はまず直営店の店長として現場で経験を積んでから、本社に戻ってバイヤーや販売促進などの職種へとキャリアアップします。
バイヤー
バイヤーの仕事内容は、各店舗で販売する商品の仕入れや販売計画、オリジナル商品の企画開発などです。
そのため、事前に店舗のあるエリアのニーズを分析したり、売上データから買い物の傾向をチェックしたりと、顧客のリサーチ後に商品選定を行います。
そしてそのデータをもとに、メーカーや仲卸業者と価格面や数量面においての交渉をまとめます。
販売促進
販売促進職は、スーパーバイザーやエリアマネージャーとして、地域ごとのフランチャイズ店の販売計画や売上目標の設定・管理、経営のアドバイスなどを行います。
フランチャイズ店のオーナーは、スーパーバイザーのアドバイスを受けて売上アップにつながるお店づくりに取り組みます。
店舗の改善点を把握して、適切な提案をするためには、オーナーとの会話で情報を引き出すコミュニケーションスキルが欠かせません。
店舗開発
店舗開発職は新規出店の店舗を手がける職種です。
出店を予定している地域のマーケティング分析をしたり、立地の選定や土地の確保、建設企画を行ったりします。
出店予定のエリアの周辺の人口や交通量、他社のコンビニやスーパーマーケットの状況などを情報収集して、どの地域や道路沿いがよいかなどを考えます。
トレンドや地域のニーズを調べるマーケティングの知識を活かす仕事です。
コンビニ業界に必要な資格や経験

コンビニ業界で活躍するために、特に必要な資格や経験はありません。
しかし、販売や商品知識についての知識やスキルを認定する資格を取得しておくと、選考でアピールできるでしょう。
次の表で、コンビニの販売や店舗管理などに役立つ資格をまとめました。
資格名 | 資格内容 |
販売士(リテールマーケティング検定) | 小売業界で働く人のための公的資格です。プロの販売員である証明になります。販売士の資格取得を通して、お客様のニーズに応えるサービスを提供する知識やスキルが身につきます。 |
接客サービスマナー検定 | 接客サービスの基本を学ぶ民間資格です。ビジネスマナーやクレーム対応などの知識や技能を身につけて、お客様が安心できる接客サービスを提供します。 |
食品衛生責任者 | コンビニで人気の揚げ物やおでん、肉まんなどの食品を販売するために必要な資格です。1店舗につき1名必要ですが、保健所や食品衛生協会の講習を受ければ、ほぼ100%合格できます。 |
酒類販売管理者 | アルコール販売に必要な資格です。日本フランチャイズチェーン協会の研修を受講すると取得できます。資格取得後、税務署で酒類販売店の許可申請をします。ただし、有効期限は3年です。 |
こうした資格を取得しておくと、将来の業務やキャリアアップにも役立ちます。
コンビニ業界が向いている人の特徴

コンビニ業界が向いている人の特徴は、次の3つです。
- コミュニケーションが得意
- 人の世話をするのが好き
- トレンドに敏感
店舗の販売や店舗管理では、接客やスタッフとのやりとりでコミュニケーションスキルが欠かせません。
また、スタッフ管理をはじめ店舗運営や売上アップのためのマネジメント力も必要です。
キャリアアップでスーパーバイザーになったときには、店舗のオーナーやスタッフとコミュニケーションを取って、適切なアドバイスや励ましなど、人をサポートする姿勢も求められます。
さらに、コンビニ業界ではお客様のニーズに合わせた新商品やサービスを取り入れるため、トレンドに敏感で幅広い知識を持っている人も向いているでしょう。
このように、コンビニ業界に向いている人の特徴は、人とのコミュニケーションを通して相手と自分が成長できる気持ちを持っていることです。
普段の生活のなかで意識して身につけることができるので、人との関わりや情報収集を大切にしていきましょう。
コンビニ業界の魅力や就職するメリット

コンビニ業界の魅力や就職するメリットは、次の3つがあります。
- 「数字」で頑張りが見える
- 色々な人たちと出会える
- 人に役立つやりがいがある
コンビニ業界の魅力は、自分で考えた店舗づくりがうまくいくと、売上という数字で目に見えることです。
商品選びや商品の並べ方、棚の作り方ひとつで、売上に大きく影響することも少なくありません。
自分の努力がダイレクトに売上で見える喜びは、コンビニ業界で働く魅力のひとつです。
また、店舗で働いていると、さまざまなお客様とやりとりがあります。毎日やってくる常連客から、旅行中に立ち寄った人まで、バラエティ豊かな人たちを触れ合えるでしょう。
さらに、お客様に合わせた接客や商品開発をするのも、コンビニで働く楽しさです。常連客には親しみを込めて、仕事中のお客様には笑顔になれる接客をしたり、地域のニーズを分析してオリジナル商品の企画したりと、仕事を通じてやりがいが生まれます。
自分のアイデア次第で売上アップが実現したり、多種多様なお客様と触れ合えるのは、コンビニ業界の大きなメリットです。
コンビニ業界の大変さや就職するデメリット

コンビニ業界には、以下のようなデメリットもあります。
- 働き方が不規則で残業が多め
- 売上や接客のストレスが多い
- 転勤が多い
コンビニ業界は、24時間365日営業のため、夜間や早朝などシフトによって働く時間帯は不規則です。また、パートやアルバイトのシフトが空いた日や時間帯は、店長や社員が代わりに出勤しなければなりません。生活リズムが乱れたり、残業が多めになりやすいのは、コンビニ業界で働くデメリットです。
また、売上が数字で出るため、店舗運営やスタッフ管理の能力が目に見えるかたちで突き付けられます。売上が思うように伸びなかったり、スタッフが育たなかったり、といった悩みは大きなストレスになります。
さらに、全国展開しているコンビニ企業に就職する場合、店長として各地の店舗を回ったり、スーパーバイザーとして馴染みのないエリアに異動する、といった転勤は多めです。
デメリットはどの業界にもあるので、他業界と比べた上でどこまで許容できるか考えることをおすすめします。
コンビニ業界の有名企業ランキングTOP3

コンビニ業界は、次の大手3社による競争が続いています。
就活生はもちろん誰でも知っているコンビニばかりです。
- セブン‐イレブン
- ローソン
- ファミリーマート
セブン‐イレブン
セブン‐イレブンは1974年に日本で初めてフランチャイズ方式のコンビニをオープンしました。異なるメーカーの商品を同じ車で運搬する共同配送や、POSシステムの導入、などをいち早く導入した業界のパイオニアです。
最近では、2013年に手軽な値段のコンビニコーヒー「セブンカフェ」を世に送り出すなど、常に社会にインパクトを与えています。
2022年2月末時点で、セブン-イレブンの店舗数は国内21,327店です。すべての都道府県に出店しています。また、チェーン全店の売上は4兆9,500億円で、店舗数、売上ともに業界1位の企業です。
業界をリードするコンビニ大手で活躍したい人はぜひ応募してみましょう。
ローソン
ローソンは、2022年現在の売上高2兆2,119億円。コンビニ大手3社として業績や知名度が高いため、就職でも人気企業のひとつです。
全国に14,656店舗を展開するローソンは、地域のニーズに合わせて以下のような店舗スタイルを導入しています。
- 健康志向のニーズに合わせたナチュラルローソン
- 病院内店舗のホスピタルローソン
- 100円ショップのメリットを持つローソンストア100
その他にも店内調理のお弁当などの販売や、訪問販売なども拡大していて、地域や店舗の立地によって異なるお客様のニーズを捉えた出店スタイルが特徴です。
また、オリジナル商品のなかには、ロングセラー「からあげクン」をはじめ、糖質コントロールで健康志向のパンやお菓子など、商品企画・開発もローソンの強みといえます。
参考:ローソンの実績とグループ理念 _ フランチャイズオーナー募集 _ 株式会社ローソン
ファミリーマート
ファミリーマートは、2022年2月末時点でチェーン全店売上高は2兆8,420億円。
サークルK・サンクスとのブランド統合が完了し、現在24,923店になりました。店舗数は、セブン-イレブンに次いで業界2位です。
「ファミマル」は、美味しさや品質、安心をクリアしたプライベートブランド商品です。食品から日用品、パンやお菓子、飲料まで、多彩なアイテムを商品開発しています。
2019年にはスマホ決済の「ファミペイ」やイートインスペースを活用して、地域の人たちが交流できる「ファミマ子ども食堂」がスタートするなど、デジタル化や地域の活性化にも取り組んでいます。
ファミリーマートはコンビニ企業としてスケールが大きく、ブランド力の高い企業ですので、やりがいが大きいと言えるのではないでしょうか。

コンビニ業界の志望動機を書くときは、次の2つのポイントを意識しましょう。
- なぜコンビニ業界を志望したのか
- なぜその企業でなければいけないのか
まず、なぜコンビニ業界なのか、就職したい理由を伝えましょう。コンビニ業界のしくみや特徴、動向などに触れながらまとめると、採用担当者に熱意ある就活生だとアピールできます。
そして、なぜ応募先のコンビニ企業を志望するのか、理由を具体的に伝えましょう。競合している企業と比較したり、会社見学やインターンでの体験を元に具体的に語ることが大切です。
コンビニ業界の自己PRの書き方

コンビニ業界の自己PRを書く際には、次の2つのポイントをしっかりと伝えましょう。
- どんなかたちで企業に貢献できるか
- 貢献するための知識や経験
コンビニは日常的によく利用するため、お客様の立場で企業に貢献するポイントをまとめてしまう就活生が少なくありません。
大切なことは、企業側にとってのメリットを意識しながら貢献できる内容を伝えることです。
また、企業に貢献するために役立つ知識や能力、経験なども具体的なエピソードで伝えると好印象を与えられます。
店舗販売ではコミュニケーション力、店舗管理ではコミュニケーション力に加えてマネジメント力も必要です。また、バイヤーや商品企画・開発の職種では、トレンドを分析する力もアピールできます。
コンビニやスーパーマーケットに限らず、店舗での販売や接客をしたアルバイト経験を自己PRに盛り込むこともおすすめです。
コンビニ業界の年収や給料!ボーナスはいくら?

次の表は、コンビニ業界の年収と月収を職種ごとにまとめたものです。
職種 | 年収 | 月収(ボーナス込み) |
販売・店舗運営 | 300万円~500万円 | 25万円~42万円 |
バイヤー | 400万円~600万円 | 33万円~50万円 |
販売促進 | 400万円~600万円 | 33万円~50万円 |
店舗開発 | 500万円~800万円 | 42万円~67万円 |
小売業界の給与水準は他業界に比べて、やや低めに設定されています。他の業界の収入も比較しながら、自分が納得できる年収かどうか考えましょう。
コンビニ業界の動向や今後の将来性は?

コンビニ業界は、社会の変化によって以下の2つの課題を抱えています。
- 店舗数や販売額の伸び悩み
- 営業スタイルの多様化
以下で、ひとつずつ見ていきましょう。
店舗数や販売額の伸び悩み
1970年代に登場したコンビニ業界は、これまでフランチャイズ方式を通して出店店舗や販売額を伸ばしてきました。
しかし、経済産業省「商業動態統計」によると、2019年には店舗数が対前年比で初めて減少しました。
また、2020年にはコンビニの販売額は対前年比-4.4%を記録。新型コロナウイルスによる外出自粛やテレワークの影響が原因といわれていますが、1998年の調査開始以来、初めて前年比を下回る販売額となりました。
コンビニ業界では、2015年以降、フランチャイズ方式によって出店を増やす戦略から、既存店の1店舗当たりの売上を増やす傾向が続いています。
このように国内の新規出店が頭打ちとなっているため、既存店の売上アップや海外出店を進める動きが加速すると予測されます。
営業スタイルの多様化
これまでコンビニ業界は、全国どの店舗も同じようなサービスの提供を基本に展開してきました。
しかし、地域や立地によって、店舗オーナーが独自に営業時間を決めたり、顧客のニーズに合わせて商品選びをしたりといった多様性が求められます。
また、働き方の見直しも大切です。
経済産業省が実施したアンケートでも、店舗オーナーや店長は休みが取りづらく、深夜勤務の負担が大きいと悩む声が多くあります。コンビニ業界全体で人手不足の解消に向けた対策も必要でしょう。
コンビニ業界では、鮮度を保つ技術の開発やAIの導入など、フードロスを削減する取り組みをしてきました。SDGsの広がりによって、消費期限が近いからと食品廃棄するのではなく積極的に割引シールを貼る見切り販売なども重要です。
今後、職場の環境整備や持続可能社会に向けた取り組みが進んで、より働きやすい業界になっていくでしょう。
参考:2021年上期小売業販売を振り返る;コロナ禍2年目に入っての変化は|経済解析室ニュース|経済産業省
コンビニ業界のよくある質問

コンビニ業界について就活生からよくある質問は次の3つです。
コンビニ業界は文系or理系でも活躍できる?
コンビニ業界は、文系や理系に関係なく活躍できます。
店舗の販売では接客が中心のため、大学で学んでいたことよりもコミュニケーション力やトレンドを読み取る力のほうが重視されるからです。
就職対策では、志望動機や自己PRを通してコンビニ業界で働きたいという熱意をアピールすることに力を入れましょう。
コンビニ業界のキャリアアップのイメージは?
コンビニ業界に就職した場合は、まず店長として店舗の販売や店舗管理からスタートします。現場でのキャリアを積んだ後、スーパーバイザーやバイヤー、店舗開発などの職種を目指します。
フランチャイズ店の運営会社に就職した場合は、1つの店舗から複数の店舗の店長を担当したり、フランチャイズ店のオーナーとして独立したりといったキャリアプランが一般的です。
コンビニ業界の今後の課題は?
時代の変化による消費者のニーズにどこまで対応できるかが課題です。
コロナ禍によってネットショッピングが加速したため、近くのコンビニより気軽に購入できるネット通販の便利さも広がって来ました。
また、経費削減のため無人化店舗やロボットの活用など、デジタル化やIT化をこれまで以上に進める必要があります。
まとめ:コンビニ業界の魅力を知って就活に動きだそう

便利なサービスやオリジナル商品の開発など、身近な存在であるコンビニは顧客のニーズに合わせたビジネスで成長してきました。
今後は、地域や立地に合わせて多様な店舗が広がっていくと考えられます。
コンビニ業界のなかでも自分のキャリアプランのイメージにどの会社が合いそうかを意識しながら、就活をしていきましょう。